みなさん、こんにちは。
今回は大人の本として、子育て時期の私が読んだおすすめ本の1冊を紹介いたします。
早速ですが本のタイトルは「学力」の経済学です。
この本は思い込みで語られてきた教育に対して、本当に効果があるのか?などの疑問を科学的根拠から解説していく内容となっています。
テレビで紹介されたりして世間での反響も強く、本自体も売れているので、みなさんも読んだことがあるかもしれませんね。
私の手元にある本の表紙帯には「Amazon.co.jp 3週連続1位!」となっているのですが、現在Amazonで販売されている表紙帯を見ると「30万部突破!」に変わっていました。
また私の本の帯にはないのですが、現在は「林先生が驚く初耳学!」で大反響とも表記されています。
売れていますね。
なぜ大反響なのかは読めばわかります。
考え方や物事の捉え方は人それぞれですから、全ての人が賛成というものは世の中にないと考えますが、私としてはおススメの本です。
教育にも科学的根拠を
この本は、今までなんとなく良しとされてきた教育について、本当に良いのか科学的根拠をもとに判断してみようじゃないかというスタンスの内容になっています。
教育というのは正しかったどうか確認するのが難しいですよね。
東大に合格すれば正しいわけでもないですし、大学に進学しなかったから間違いであったともいえません。
しかしながら、答えがわからない以上、親としてはついつい良いと思われることをしたくなります。
例えば、ある母親が息子を何人も東大に合格させたとなると、その人の話を聞きたくなり、さらには真似する必要性に駆られたりするのですね。
一人の経験も貴重であることには変わりないですが、それはとても稀なことであったらどうでしょうか。
いくら真似ても同じように東大に合格するとは限らないわけですね。
東大合格を一つの目標とするならば、一人の意見・経験だけでなく、東大生全員の行動・社会背景などを吟味して普遍的な事実を導き出し、それを真似することは良さそうだとはいえます。
これは医学・健康についても当てはまります。
例えば、とても元気でパワフルなおじいさんがいたとします。
その人が「健康長寿の秘訣はストレス発散にもなる酒とタバコだ」と言ったとしましょう。
では、健康で長生きしたい人は酒とタバコに手を出した方がいいのでしょうか?
もちろん、酒・タバコに手を出した方がいいとは言い切れませんね。
医学の世界では、治療効果についてのデータを蓄積して、どれくらい有効かなどの科学的根拠を吟味することで、標準的治療法などが決まっていきます。
教育も医学などと同様に、経験論だけでなく科学的根拠をもって、効果的か否かを判断しようということを、この本は教えてくれます。
具体的内容は?
本の内容をそのまま説明することはできませんが、具体的にはどのようなことに触れているか記載します。
・子どもを勉強させるために、ご褒美で釣ってはいけないの?
・子どもはほめて育てるべきなの?
・ゲームは子どもに悪い影響があるの?
気になる内容ですよね。
これらの問いに答えはあるのでしょうか。
人それぞれなのでしょうが、人それぞれと結論付けてしまうとそれ以上先に進めなくなってしまいます。
ゲームは昔はなかったわけですが、その時代に育った人は問題がなかったのでしょうか。
現在はゲームで稼いでいる人達もいて、eスポーツという言葉もできています。
トッププレイヤーになるためには、もちろんゲームに多くの時間を費やす必要があります。
ゲームは子供に悪い影響があるのか?など、答えを出すのが難しい問題の一つ一つに、科学的根拠を基にした見解が述べられていきます。
また「”勉強”は本当にそんなに大切なのか?」、「”少人数学級”には効果があるのか?」、「”いい先生”とはどんな先生なのか?」というようなことにも触れています。
子供を持つ親としては、「”勉強”は本当にそんなに大切なのか?」はとても気になりますよね。
本では幼児教育プログラムを受けた子供達はどうなったのかや、認知能力・非認知能力の説明、能力の鍛え方などについて解説しています。
親として、ためになります。
鵜呑みにしてはいけない
私は、科学的根拠は信頼性を置ける事実になると考えています。
しかしながら、それが全てではありません。
酒・タバコをガンガンやってても元気な方もいます。
東大を出ても逮捕される人がいる一方で、大学を出てなくても人一倍稼いでいる人もいます。
結局は、我が子をよくみて、子供が道を踏み外していかないようにそっと力を添えて、時にはぐっと引っ張り上げるのが親として大切なのだろうとは思います。
自分の確固たる信念がある人は、それに従うのは悪くないでしょう。
一方で親としてどうしたらいいのだろう?と疑問に思うこともたくさんありますね。
教育という結果が出るのに時間がかかり、何が良いのか良くないのかわかりにくいものであれば尚更です。
そんなときは、この本が判断基準の一つとして力をくれると考えます。
ぜひ一度、肩の力を抜いて、この本を読んでみていただきたいと思います。
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