糖尿病攻略法

痩せ型糖尿病の食事

健康的な食品

こんにちは。

前回は痩せ型糖尿病の運動についてまとめました。

今回は続きとして食事についてまとめます。

といっても糖尿病の食事療法の原則は、肥満型も痩せ型も大きな変わりはありません。(腎障害など合併症がない場合)

原則
  1. 砂糖、果糖ブドウ糖液糖、加工食品は避ける。
  2. 脂質摂取は総カロリーの20-25%程度。
  3. 飽和脂肪酸摂取は総カロリーの10%以内。
  4. 炭水化物は全粒穀物にする。
  5. タンパク質は除脂肪体重(kg)×1.5-2.0g程摂取。
  6. ビタミン、ミネラルをしっかり摂る。

以上の原則を踏まえたうえで、肥満型の場合は減量のためにカロリーを減らし、痩せ型の場合は増量のためにカロリーを増やします。

痩せ型の場合は増量といっても体脂肪を増やすわけではなく、筋肉量を増やすことが必要です。

とはいえ、元々体重が30-40kg台の方が筋肉だけを5kgも6kgも増やすことは相当難しく、増量のためにカロリーオーバーでいった場合は少なからず体脂肪も増えます。

そのため、増量時にはより血糖コントロールに注意は必要になります。

もっとも、しっかりトレーニングを行って筋量が増えていけば血糖は下がります。

痩せ型はカロリーオーバーにして筋肉の増量を図っていかなければいけませんが、どれくらいカロリーオーバーにするといいのでしょうか。

例えば身長146cm、体重36kgの女性を考えてみます。

まずは目標体重の設定です。

標準的なBMIであるBMI=22を用いてみると、BMI=身長(m)× 身長(m)÷ 体重(kg)なので、

22 = 身長(m)× 身長(m)÷ 体重(kg) となり、式を変換すると、

体重(kg)= 身長(m)× 身長(m)× 22となります。

そして身長を代入して、体重(kg)= 1.46 × 1.46 × 22 ≒ 47kgとなります。

当面の目標体重は47kgとなりました。

次に目標体重に活動量を掛け合わせていきます。

普通程度の活動量であれば×35とします。

ほとんど座っているような方は×30、力仕事などバリバリ動いている方は×40とします。

今回は普通の活動度として、47kgに×35をしてあげて、

47 × 35 = 1,645kcalとなります。

ということで、1日の目標摂取カロリーは1,645kcalとなりました。

授乳婦さんであれば、ここに+350kcalとなり2,000kcalになります。

目安のカロリーがわかったら次はカロリーを何で摂るかということを考えます。

カロリーを考える際の栄養といえばタンパク質、脂質、炭水化物ですね。

まず最初にタンパク質量を考えます。

体脂肪率を測定して除脂肪体重を評価し、タンパク質量を決めるのは一般的ですが、痩せ型の方は多めにタンパク質を摂取してよいので、タンパク質はわかりやすく現在体重×1.5~2.0/kgで考えてよいです。(以下、腎機能障害の方は除く)

増量なので体重×2程を摂取してよいでしょう。

36kgであれば36×2 = 72kgとなります。

タンパク質は1g=4kcalなので、72×4 = 288kcalになります。

わかりやすく300kcalとします。

次に脂質を求めます。

脂質は総カロリーの20-25%とします(飽和脂肪酸は10%未満)。

1日1,645kcalのうち、脂質はその25%程度とすると411kcalです。

脂質は1g=9kcalなので4kcalは約46gです。

飽和脂肪酸は1,645kcalの10%が上限で165kcalまでとなり、約18gです。

つまり飽和脂肪酸はMAX約18gまでとし、不飽和脂肪酸は(46g – 飽和脂肪酸摂取量)まで摂取できます。

ここまでタンパク質で300kcal、脂質で411kcalでしたから、炭水化物は残りの934kcalとなります。

炭水化物は1g=4kcalですから234gとなります。

まとめると身長147cm、体重36kg、活動量は普通で腎障害などの合併症がない場合、1日摂取カロリー 1,645kcal、タンパク質 72g、脂質 46g(うち飽和脂肪酸 18gまで)、炭水化物 234gとなります。

授乳婦の場合は +350kcalになるので、1日摂取カロリー2,000kcal、タンパク質 72g、脂質 56g(うち飽和脂肪酸22gまで)、炭水化物 300gとなります。

痩せ型の方にとってみれば思った以上に食べることになるかもしれません。

ここでだいたいの場合、問題となることが2点あります。

1. 脂質を控えたらタンパク質が摂れない

2. 炭水化物を摂取すると血糖が上がってしまう

なぜ脂質を控えるとタンパク質が十分摂取できないのかというと、タンパク質となる肉類、魚、大豆製品などは概ね脂質も含まれているため、タンパク質量を増やそうとすると、だいたい脂質摂取量も増えてしまうからですね。

鶏ささ身や鶏むね肉皮なし、ノンオイルツナ缶などは脂質を抑えてタンパク質を摂取できますが、それでもタンパク質摂取量を毎日確保するのは厳しいところです。

こういった場合はやはりプロテインの出番になります。

脂質含有量の少ないプロテインを食事のサポートとして摂取してあげることで、脂質摂取を抑えつつタンパク質を摂取することができます。

もちろん食品のみでタンパク質・脂質をコントロールできる方は不要ですよ。

炭水化物を摂取すると血糖が上がってしまう問題については、まずは精製された炭水化物は控えましょう。GI値が低く栄養価も高まる全粒穀物にします。

炭水化物を摂取すると血糖が上がってしまうからといって、炭水化物を摂らないという方向に進んでしまうと、余計にインスリン分泌能は低下する上に、痩せを改善することも難しくなるでしょう。

全粒穀物にしても血糖が上がってしまうことは予想されますが、その場合は食べる前にトレーニングを行って、骨格筋による血糖取り込みを促進させてから摂取することを考えます。

ちなみに血糖値が高くなっていることがわかったのなら、その場でスクワットなどして血糖を下げましょう。

慣れるまではもちろん面倒で大変なのですが、骨格筋が増えてくるまでの辛抱です。(数か月かかりますが)

「面倒だしできないっ!」という方は素直に病院に通って主治医の言うことをよく聞いて、お薬を処方してもらうなどして血糖をコントロールしましょう。

ということで、痩せ型糖尿病(2型)の方は「腹八分目でウォーキング」ではなく、「しっかり食べて筋トレ」をしていきましょう。